空調工事や冷凍冷蔵工事において、欠かせないのが冷媒配管の施工です。
火災リスクを忌避するため近年の現場では火を使わない継手(火無し継手)が使われるようになり安全面は向上しましたが、
長く複雑な配管・天井裏のような狭い空間での作業・接合の仕上がり品質など、技量や効率化への課題がありました。
今回は、従来の火無し継手が抱えていた課題をクリアするワンタッチ施工の火無し継手「エフ-1」と「SB1」の2種類をご紹介します。
見える配管接合として、“目印まで銅管に差し込む” ワンタッチ式の火無し継手による配管接合 という冷媒配管工事の新常識を取り入れることで、省力化を急速にすすめます。
1.見えるワンタッチ施工 で 「施工の効率化 & 施工品質の安定」
ワンタッチ継手 エフ-1・SB1が実現する「施工の効率化」&「施工品質の安定」
従来の火無継手は、火は使わないものの 専用工具による締め付けを必要とするものが一般的でした。
火を使わなくなくなったことで、溶接機材の準備や防火シートによる養生といった付帯作業がなくなり作業時間を大幅に短縮できた一方で、締め付け接合に欠かせない専用工具の購入というコスト負担 をはじめ、狭い現場での作業負荷、経験や技量の差がまねく締め付け不足による接合部からの冷媒漏れトラブルなど、課題が残りました。
このような従来型 火無し継手の課題をクリアし登場したのが「銅管に差し込むだけ」のワンタッチ式火無し継手「エフ-1・SB1」です。
このワンタッチ継手は「銅管につけた目印まで差し込む」だけの簡単スピーディ施工で、安定した均一な仕上がりを実現します。
また一番の懸念である安全面については、ワンタッチ継手の内部構造により銅管がしっかりと固定されるので、銅管が抜けたり、接合部からの冷媒漏れをおこすといった心配もありません。
施工の完了確認も目視 です。 冷媒配管工事で 作業者の経験・技量に左右される作業を省いたのがワンタッチ継手です。
ワンタッチ継手は、見える配管接合として、目印をつけ簡単な手順通りに作業をすすめると接合が完了し、施工確認も目印と継手端面が一致しているかを見る簡便さで、施工の効率化 & 施工品質の安定 を実現し、省力化を進めます。
人手不足で冷媒配管工事の効率を向上させたい、 経験の少ない若手作業者の作業ミスを減らしたい、作業者の育成でお悩みでしたら、
「ワンタッチ継手」をご検討ください。
ワンタッチ継手 施工手順とポイント
1.保温材を切除し、銅管を切断 | 管に傷をつけないように保温材を切除し、銅管を切断する ※ 管に傷・曲がり・扁平・熱劣化・内外面への異物付着のないことを確認 |
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2.銅管の端を処理する | パイプリーマで切断した管端の 管内面のバリ取りと管外面の面取りをします ※ 6.35~19.05(1/4"~3/4")のみ 管端の楕円矯正する |
3.銅管に挿入目安となる目印をつける | ゲージを使い、油性ペンで銅管に挿入目安となる目印をつける ※エフ-1は標線2本を、SB1は差し込み位置1本を、マーキング |
4.銅管を継手に差し込む | 銅管を継手の奥に当たるまで挿入し、目印と一致しているかを確認する 【適正目安】 エフ-1は継手端面と第1標線が、SB1は目印と継手端面が、一致していると正常 ※ 目視で、仕上がり確認ができます |
詳しい施工手順につきましては、製品ページをご参照ください。 ⇒ ●「エフ-1」 ●「スーパーバイトSB1」
2.ワンタッチ継手 2種類の仕様比較 (対応冷媒・規格)
対応冷媒については、スーパーバイトはHFC/HCFC冷媒に対応しており、自然冷媒以外のほぼすべての冷媒にご使用いただけます。
エフ-1は、空調に使われている冷媒に対応しており、異径などラインアップが豊富にあります。
スーパーバイト SB1は、取り外しクリップ(別売)で取り付けた銅管を外すことが可能なので、試験用などにもおすすめです。
施工する対象や状況によっていずれかをお選びいただております。
【製品比較】 冷媒用ワンタッチ継手「エフ-1」・「スーパーバイト SB1」
製品名 | エフ-1 | スーパーバイト SB1 |
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対応冷媒 | R32・R410A・R407C | HFC/HCFC冷媒 |
適用範囲 | 冷媒温度: -40℃~+130℃ 最高使用圧力: 4.3 Mpa |
冷媒温度: -40℃~+120℃ 最高使用圧力: 45bar,46kg/cm2 |
適用配管サイズ | ソケット 6.35~38.1 ※異径ソケット、エルボ、TJバンド(立管固定)、ノンフレジョイント サイズやアイテムが増えました |
6.35~22.22 |
専用工具 | 標線ゲージ、矯正工具 ※呼び径6.35~19.05のみ楕円矯正が必要 | ゲージ |
取り外し | 不可 | 可
取り外しクリップ(別売)にて取り外し可能 ※取り外しを繰り返すと接合がゆるむ恐れがあるためおすすめしません |
適合規格 | 国際規格ISO14903:2017および 日本銅センター(JCDA)の JCDA0012適合(認証品) |
UL規格・CE規格の認定製品 ※JCDA0012認証取得を検討 |
施工認定制度 | あり(Web施工技術講習会の受講必須 約30分程度) | なし |
※エフ-1は、JCDA0012適合した認証品です。
日本銅センターによる「冷媒用銅及び銅合金管に用いる機械的管継手」の認証であり、性能においてはISO14903に基づいた性能試験をクリアしています。
※スーパーバイト SB1 は、アメリカ「UL規格」やEU「CE規格」の認定製品です。
UL規格はアメリカ保険業者安全試験所が策定する製品安全規格で、保険業者や連邦・州政府および行政機関などは承認・調達の条件にULの認定が必須となっています。世界的な安全基準としての立ち位置も強く、各国の独自基準に比較的左右されません。また、EU(欧州連合)に定められた安全規格も満たしています。