低温環境でおこる結露や霜付きを防ぐ
食品工場や低温倉庫では、食の安全性を確保するため 冷蔵庫や冷凍庫、低温作業室が多く配置されており、室内外の温度差で生じる “結露・霜付き” の防止対策が必要でしたが、気温上昇の影響によりお客様からのご相談が多くなっています。
低温環境の結露・霜付き防止には、
除湿した給気を増やし室内を陽圧化することにより、高湿度な空気の流入を防ぐ(外気侵入を抑える)ことが効果的な対策となります。
今回は、低温環境下における低湿給気を安定に供給し、陽圧化を高効率に実現する低露点外気処理空調機「エコチェンジャー」をご紹介します。
1.質の高い給気を高効率に「エコチェンジャー」
年間を通じて、露点9℃の低湿な空気を安定的に供給する、低露点外気処理空調機「エコチェンジャー」
新鮮な外気導入には、“高温多湿な外気” を “低湿な空気” へと処理してから室内に送り込む、「質の高い給気」を行う外気処理空調機が必要になります。
一般的には、外気を一度(露点温度まで)冷却し、除湿します。〔過冷却〕そして、この除湿空気を(露点温度から)ヒーター加熱して〔再熱〕 必要な低湿空気を供給します。これが外気処理機の「質の高い給気」です。
この 質の高い給気を 年間を通じて高効率に安定供給できるのが、再熱いらずの低露点外気処理ユニット「エコチェンジャー」です。
ポイントは、「予冷」と「再熱」を高効率に熱交換すること
低露点外気処理空調機「エコチェンジャー」は、
搭載の顕熱交換器により「予冷」と「再熱」を高効率に熱交換することで、省エネに低湿環境をつくります。
食品工場やクリーンルームなど 高い清浄度が求められる場所において、「エコチェンジャー」 は 実力を発揮します。
・ 低温環境の室内に、安定して低湿空気を供給 〔結露を抑制〕
・ 大量の排気が行われる室内に、質の高い外気を導入し、室内を陽圧に保つことで、外から虫や浮遊塵の侵入を防ぎます。
「エコチェンジャー」の主な用途
●温湿度制御エリアへの外気供給 ●陽圧化(加圧給気) ●室内湿度 40%RH~60%RH(除湿・結露防止)
※高精度な外気処理が必要とされるクリーンルームや食品加工場、冷蔵倉庫(荷捌所)などに最適
2.ECU モデルチェンジ予定 新冷媒R448A対応『ECU-3000LG』、後日公開予定
エコチェンジャーは、製品のシンプル化と環境対応を進めたモデルチェンジを2025年に予定しています。
これまでラインアップは、冷凍機一体型「ECU-600・ECU-1300」、 冷凍機別置型「ECU-3000」の3機種ありましたが、
冷凍機一体型600・1300タイプが廃盤となり、冷凍機別置型3000タイプのみとなります。
また3000タイプは、新冷媒(R448A)対応の新モデル「ECU-3000LG」に置き換わります。

#冷凍機別置型3000タイプ 製品イメージ
(*画像は現行機種です)
3.事例紹介:物流倉庫 低温荷捌き室 温度帯:冷蔵5℃
低温荷捌き室における結露・霜付き対策
低温荷捌き室(温度帯:冷蔵5℃)では、入出庫のたびごとに流入する開口部からの外気(水分を含んだ暖かい空気)を原因とする結露や霜付きが
発生していました。これを防ぐため「荷捌き室の陽圧化で外気侵入を抑えたい」 というご要望がありました。
導入機種 ECU-3000 ×1台
「既設冷却器+エコチェンジャー」による低露点給気で 陽圧環境を実現し、結露を解消


露点5℃以下の低露点空気の給気が必要でした。
エコチェンジャーが供給するのは露点9℃の空気(温湿度は成り行き)で、低温の荷捌き室にそのまま取り入れると結露の原因となるため、既設の室内冷却器と組み合わせて室内温度まで冷却することにしました。

既設の室内冷却器 吸込側に、エコチェンジャーの吹出口を設置。
エコチェンジャーの吹出口を室内冷却器の吸込側に設置し、
エコチェンジャーがつくる露点9℃の低湿空気を冷却器で冷やすことで安定した低温の低湿給気を実現し、室圧が陽圧化され、結露の問題を解決しました。
梅雨時期においても荷捌き室の視界が良好に保たれています。
# 設備投資コストを低減
露点5℃以下の低露点空気供給にはブラインチラーなど高額設備が必要になるところ、
既設冷却器を活用したエコチェンジャーの導入によりコストを最小化しました。
# 既設冷却器の冷却負荷を低減
エコチェンジャーの給気を冷やす冷却負荷が増加する一方で、荷捌き室の陽圧化で外気侵入量が減少し、結果的に冷却負荷が削減されました。
※既設冷却器は、夏場の最大外気負荷を考慮して設計
※エコチェンジャーは機外静圧500Paあり、扉開閉のために気圧調整弁の設置をおすすめします。
また、室内が陽圧になると開き扉の開閉が困難になるため、スライド扉を推奨します。
低露点外気処理ユニット「エコチェンジャー」を導入いただくメリットは、低温、低湿化を効率的に実現できることです。
低温化がすすむ食品工場内(15℃の低温環境)では、安定して低湿空気を供給でき、また蒸気や熱気そして機械の排熱を逃がすために大量の排気が行われる加熱調理エリアでは、排気した以上の“給気”を高効率に行いながら 汚染空気の侵入を防ぎます。
そのほか、ご紹介した事例のような “低温倉庫の霜付き対策” ・“クリーンルームの結露対策”・ “低温作業室の換気対策” ・ “低温空間の陽圧化”など、外気導入量が多い製造現場や物流倉庫で、エコチェンジャーは安定した低湿空気を供給します。
「エコチェンジャー」をぜひご検討ください。詳しくは、アメフレックまでお問い合わせください。