Home > AFCトピックス 2019/04 特集号
2019.04.09 更新
目次 【特集号】 最新の冷媒動向 : 低GWP化に向けた冷媒の選択
1. 冷媒の現況
2. キガリ改正による規制がスタート
3. 冷媒ごとの特性をみる
4. 今後の冷媒動向と適切な冷媒選択を
【 おすすめ商品 】 ~ 発見や補修が難しいピンホールからのフロン漏れ補修に ~
スローリークをストップする ピンホール用リークシール剤 「スーパーシール」
〔 この記事のPDFダウンロード 〕
オゾン層の破壊を防止するため
特定フロン(HCFC)の代わりとして導入してきたのが 代替フロン (HFC) です。
しかし、温室効果が高く、地球温暖化に影響を及ぼしていることから、HFCの排出削減が2009年以降課題でした。
2016年に、モントリオール議定書が改正され、代替フロン(HFC)も規制対象となりました。 この改正が「キガリ改正」です。
今年 2019年1月より、 この「キガリ改正」による規制が始まりました。
この改正で、温室効果が高い「代替フロン」についても 生産量・消費量の削減義務 が課せられており、
そのために国内法である「改正オゾン層保護法」では規制が強化されます。
1月にスタートしたキガリ改正の規制を簡単にご紹介します。
「温室効果が高い代替フロンの使用を段階的に削減していく」 ことを約束したのが、キガリ改正です。
現在、キガリ改正で規制となる代替フロンは18種類指定されています。
HFC-134 HFC-134a HFC-143 HFC-245fa HFC-365mfc HFC-227ea HFC-236cb HFC-236ea
HFC-236fa HFC-245ca HFC-43-10mee HFC-32 HFC-125 HFC-143a HFC-41 HFC-152
HFC-152a HFC-23
そして下図が、キガリ改正に基づく日本のHFC削減義務のスケジュールです。
5年ごとに段階的に下がっていきます。
この削減スケジュールの見通しにおいて、 2029年以降 70%の削減をクリアすることが、現時点では厳しく、
低GWP・ノンフロンというグリーン冷媒製品の普及 がこれからの要となります。
※2018年3月に集計された 2017年の消費量実績値は 約4,900万CO2-t でした。
冷媒の現状をみていきます。 現在、市場にある冷媒の特性をまとめたのが下表になります。
種類 | 冷媒番号 | GWP | ODP | 燃焼性 | 動向 |
---|---|---|---|---|---|
HCFC | R22 | 1,810 | 0.055 | 不燃 | 2020年 全廃 |
HFC | R404A |
3,920 | 0 | 不燃 | |
R410A |
2,090 | 0 | 不燃 | ||
R407C |
1,770 | 0 | 不燃 | ||
HFC 低GWP系 |
R32 |
675 | 0 | 微燃 | R-410Aの代替冷媒 微燃性のため、封入量60kgまで |
R448A |
1,387 | 0 | 不燃 | R404AやR22の代替冷媒 | |
R449A |
1,397 | 0 | 不燃 | R404Aの代替冷媒 | |
R407H |
1,495 | 0 | 不燃 | R-404AおよびR-407Cの代替冷媒 | |
自然冷媒 | CO2 | 1 | 0 | 不燃 |
* GWP : 地球温暖化係数 〔IPCC第4次報告書(2007)に基づく]
* ODP : オゾン破壊係数
フロン排出抑制法において、フロン類使用製品製造における基準が示されており、
冷熱業界に関係する「コンデンシングユニット及び定着式冷凍冷蔵ユニット」の目標値は、
2025年までに 生産平均 GWP1500以下となっていることから、メーカー各社では規制をクリアするグリーン冷媒製品の開発と販売に力が注がれています。
先月3月19日に「フロン排出抑制法」の改正案が閣議決定されました。
代替フロンの不法廃棄に歯止めをかけるため、罰則が強化されることになります。
代替フロンの回収率がここ10年以上 3割程度と停滞しており、
直近でも4割弱だったことから、一刻も早く 回収率を上げていく対策として罰則が強化されます。
今後も、オゾン層破壊や地球温暖化対策の両面においてフロン類をとりまく規制は進められていくことから、
2019年度以降、メーカー各社は本格的に、次世代対応製品を開発し実用化へと向かいます。
設備導入や更新をしていく際には、このような社会の流れを意識しつつ、予算はもちろんですが、様々な規制も考慮した適切な冷媒選択をしていく必要があります。
低GWPやノンフロンという グリーン冷媒製品の普及が、これからの課題です。
設備の新設や更新にあたり、冷媒の開発状況や規制の動向を捉えながら、適切な冷媒をご選択いただくことが大切になります。
設備ご検討の際は、開発製品の状況や予算を含めたご提案をさせていただきます。
どうぞアメフレックまでご相談ください。
スーパーシール スローリークによるフロン漏れ対策に |
アメフレックトピックス 2019.04掲載 特集:冷媒の最新動向 |
フォームが表示されるまでしばらくお待ち下さい。
恐れ入りますが、しばらくお待ちいただいてもフォームが表示されない場合は、こちらまでお問い合わせください。